研究のタイプ: 疫学研究

[4つの出生コホートにおける母親の妊娠中の携帯電話使用、妊娠期間及び胎児の成長] epidem.

Associations of Maternal Cell-Phone Use During Pregnancy With Pregnancy Duration and Fetal Growth in 4 Birth Cohorts

掲載誌: Am J Epidemiol 2019; 188 (7): 1270-1280

この研究は、母親の妊娠中の携帯電話使用が妊娠期間及び胎児の成長と関連しているかどうかを調べた。デンマーク(1996-2002)、オランダ(2003-2004)、スペイン(2003-2008)、韓国(2006-2011)から入手した、合計55,507人の妊婦とその子どもについての情報を用いた。自己申告による1日当たりの携帯電話での通話件数に基づき、ばく露なし、低ばく露参考レベル)、中ばく露、高ばく露に分類した。妊娠期間(出生時の在胎期間、早産/過期産)、胎児の成長(出生体重比、在胎期間に対して小さい/大きい)、出生体重、低及び高出生体重を調べ、コホート別推定値をメタ分析した。その結果、中ばく露群では短い在胎期間で出産するリスクが高く(ハザード比(HR)=1.04、95%信頼区間(CI)=1.01-1.07)、短い妊娠期間(P<0.001)及び早産(P=0.003)についてばく露‐反応関係が認められた。胎児の成長または出生体重との関連は認められなかった。母親の妊娠中の携帯電話使用は、短い妊娠期間と関連しているかも知れず、早産のリスクを高めるかも知れない、と著者らは結論付けている。但し、この結果は携帯電話ばく露の直接的な影響ではなく、妊娠中のストレスまたはその他の交絡因子を反映しているかも知れないことから、解釈には注意を要する、と述べている。

ばく露