[電磁過敏症になること:再現研究] tech./dosim.

Becoming electro-hypersensitive: A replication study

掲載誌: Bioelectromagnetics 2019; 40 (3): 188-200

電磁界を原因と考える本態性環境不耐症(IEI-EMF)、いわゆる「電磁過敏症(EHS)」の病因の客観化に成功した研究は今のところない。IEI-EMFは、影響を受けている人々が考える原因の観点以外には定義できていない。そもそも、そうした人々が考える原因の由来さえ十分に理解されていない。この研究は、これに関する先行研究の限界を修正して、その結果を再現することを目的とした。EHSの被験者16人が社会学的及び医学的インタビューを受け、標準化したアンケートに回答した。自身が過敏症であると納得するに至る過程についての3つの明確なタイプ(「寡黙な帰属モデル」、「事前帰属モデル」、「代理帰属モデル」)を同定した。その結果、EHSの人々が、自身の症状電磁界が原因であると考えるに至るプロセスについてのこれら3つのモデルは、IEI-EMFの臨床的に異なる形態とは関連しないようである。それらを区別するものは、電磁環境が原因ではないかという最初の疑いが生じる道筋であり、IEI-EMFに至る経路の多様性が示された。それでも、各モデルにおいて、EHSの原因が電磁界であるという考えが具体化されるのを可能にする学習プロセスが同定された。つまり、電磁環境と彼らの病状との間の因果関係を確立する能力は、EHSの人々が辿ってきた道筋の結果であり、彼らの出発点ではない。この観察結果は、IEI-EMFはノセボ反応によるものであるとするモデルとは一致せず、それらのモデルの生態学的妥当性は疑問である、と著者らは結論付けている。

ばく露