この研究は、身体の投影効果[body shadowing effect]を考慮して、子ども及び成人の活動を通じた無線周波(RF)電磁界への個人ばく露レベルを評価した。韓国のソウル、天安、蔚山に住む親子のペア50組を採用し、韓国で使用されている14のRF帯域(87.5-5875 MHz)を捕捉するようにしたポータブルばく露メーターを用いて、2016年9-12月にRF電磁界測定を実施した。参加者はこのデバイスを48時間装着し、電波を発しない機内モードにしたスマートフォンのアプリを用いて時間ごとの活動日誌を記録した。ばく露評価の精度向上のため、RFばく露の測定値を用いた統計的分析の際に、身体の投影効果によるばく露レベルの低下を表すハイブリッドモデルを用いて、同効果を補正した。一般化した線形複合モデルを用いて、参加者別及び活動別にRFばく露レベルを比較した。その結果、電力密度の合計の算術(幾何)平均値は、参加者全体については174.9(36.6)μW/m^2、父親については226.9(44.6)μW/m^2、母親については245.4(44.8)μW/m^2、子どもについては116.2(30.1)μW/m^2であった。身体の投影効果を補正すると、ばく露の合計は僅かに(約1.4倍)上昇した。ばく露の合計に対する各周波数帯域の寄与度は、ダウンリンク、アップリンク、Wi-Fi、FMラジオ、TV、WiBroバンドについて、それぞれ76.7%、2.4%、9.9%、5.0%、3.3%、2.6%であった。ばく露の合計が最も高かった地域はソウルで、最も高かった活動は地下鉄で、次いで徒歩/自転車、バス/自動車、屋外であった。ばく露の合計に対する基地局ばく露の寄与度は、両親及び子どもの両方で最も高かった。韓国におけるRFばく露の合計及び基地局ばく露のレベルは、報告されている欧州諸国でのレベルよりも高かった、と著者らは報告している。
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