[欧州指令2013/35/EUの文脈における非正弦波磁界ばく露に対する異なる評価方法のベンチマーク] tech./dosim.

Benchmark of different assessment methods for non-sinusoidal magnetic field exposure in the context of European Directive 2013/35/EU

掲載誌: J Radiol Prot 2019; 39 (2): 455-469

欧州電磁界指令2013/35/EUでは、非正弦波磁界の評価のための参照方法として、時間領域における荷重ピーク法(WPM-TD)が特定されているが、これとほぼ同等で比較可能な結果が得られるものであれば、その他の科学的に妥当な方法も許容されている。2013/35/EUの実践的な実施のための拘束力のないガイドでは、WPM-TDに代わる3つの方法:周波数領域における荷重ピーク法(WPM-FD)、複数周波数規則(MFR)、代用時間領域評価法(TDAM)が述べられている。この論文は、実際のデバイスの近傍及び9つの一般的な波形で測定した磁気誘導の12の異なる時間領域信号に基づき、これらの評価方法のベンチマーク比較を示している。その結果、WPM-TD及びWPM-FDで得られた評価は概ね同等とみなせる(最大偏差3.4 dB)ことが示された。MFRはその本質的に保守的な定義により、系統的にばく露を過大評価した。対照的に、TDAMは有意にかつ系統的にばく露を過小評価し、検討した波形について最大で22倍(26.8 dB)であった。TDAMによるばく露の過小評価の主な理由は、不適切な時間平均化の導入、及び、特徴的な時間パラメータが、TDAMの定義における磁界の変化の範囲から独立して派生するという事実による。このため、この論文の著者らは、2013/35/EUの根底にある目的(即ち、電磁界ばく露に関する調和のとれた職業的安全性のレベル)と矛盾することになるので、拘束力のないガイドに現在記載されているTDAMを使用しないように推奨している。

ばく露