この研究は、835 MHz(SAR 4.0 W/kg)の無線周波(RF)電磁界への5時間/日、12週間のばく露が、C57BL/6マウスの線条体ニューロンに及ぼす影響を調べた。その結果、ばく露後の線条体シナプス前ボタンにおけるシナプス小胞が有意に減少した。ばく露群の線条体でのシナプシンI及びIIの発現レベルも有意に低下した。RFばく露は線条体でのドーパミン濃度の低下、及び線条体ニューロンでのチロシンヒドロキシラーゼの発現の低下にもつながった。更に、行動学的試験では、RFばく露は1-メチル-4-フェニル-1、2、3、6-テトラヒドロピリジン(MPTP)[神経毒の一種]の反復投与後の運動活動の回復を阻害した。これらの結果は、線条体で認められたドーパミン濃度の低下はドーパミン作動性ニューロンの減少とシナプス小胞の減少の両方によって生じたことを示唆しており、ドーパミン作動性ニューロンの減少及び濃度低下は、RFばく露がMPTP処理後の回復を困難にしたかも知れない、と著者らは結論付けている。
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