磁気共鳴画像撮影(MRI)の磁界ばく露に関連する現行の安全基準は、よく知られている熱と神経刺激の急性影響に基づいているが、MRIばく露のあるかも知れない長期的影響の科学的根拠は欠如している。疫学研究では、ばく露の慎重な特徴付けが必要であり、MRI患者のばく露環境を特徴付けるためのばく露評価の改善がその第一歩である。この研究は、3 Tのスキャナについて7つのMRIシーケンスを実施し、MRIボア内部で無線周波(RF)及び傾斜磁界を測定し、14個のばく露パラメータについて比較した。シーケンス内の変動を調べるため、フリップ角、スライス厚さ等のシーケンスの設定を毎回変更し、ばく露のエンドポイントへのインパクトの有無を判定した。その結果、2つ以上のシーケンス間で、14個のばく露パラメータの全てに有意差が認められた。シーケンス内の変動は、シーケンス間の差異の最大60%で、フリップ角、スライス厚さ、視野の変動によって5-8倍の増加が生じた。MRIばく露はシーケンスだけに特有のものではなく、患者及び検査についても特有で、その複雑性から、疫学研究におけるMRIばく露評価を意味のあるものにするには、慎重な配慮が必要である、と著者らは結論付けている。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。