[銀及びグラフェンナノ粒子のイン・ビトロ毒性に対する電磁界のインパクト] med./bio.

Impact of electromagnetic fields on in vitro toxicity of silver and graphene nanoparticles

掲載誌: Electromagn Biol Med 2019; 38 (1): 21-31

この研究は、電磁界の存在下での銀ナノ粒子の形状及び濃度と、細胞毒性ならびに活性酸素種ROS)の産生との相関を調べた。また、電磁界とグラフェンナノ粒子の組合せによる生体影響も評価した。3つの形状の銀ナノ粒子(三角形、球状、コロイド状)及びグラフェンナノ粒子を、ヒト線維芽細胞培地に高濃度で添加し、3つの周波数の電磁界(900、2400、7500 MHz)にばく露した。その結果、電磁界による細胞毒性は銀ナノ粒子の形状及び濃度に依存することが示された。いずれの形状及び濃度に対しても、殺細胞効果が最も強かったのは900 MHzであった。グラフェンナノ粒子溶液の温度上昇が最も高かったのは900 MHzであった。三角形及びコロイド状の銀ナノ粒子溶液中では、電磁界ばく露はROS産生の有意な増加につながったが、球状の銀ナノ粒子溶液中ではROS産生へのインパクトは認められなかった。グラフェンナノ粒子のROS産生活性は濃度に依存していた。これらの知見は、電磁界による銀ナノ粒子細胞毒性の制御が実現可能であることを示している、と著者らは結論付けている。

ばく露