研究のタイプ: 疫学研究

[携帯電話使用との関連における多形神経膠芽腫及びその他の脳のがんのサブタイプについての非現実的な仮説を用いた時間的及び空間的パターンの分析] epidem.

Analyses of temporal and spatial patterns of glioblastoma multiforme and other brain cancer subtypes in relation to mobile phones using synthetic counterfactuals

掲載誌: Environ Res 2019; 168: 329-335

この研究は、側頭葉の異なる脳領域での、異なる悪性及び良性聴神経鞘腫及び髄膜腫を含む)サブタイプの多形神経膠芽腫(GBM)の時間的傾向が、携帯電話使用と関連付けられるかどうかを評価した。英国イングランド地方での1985-2005年の脳のがんのサブタイプの年間発生率を、人口集団レベルの共変数とリンクさせた。ベイズ構造時系列を用いて、2006-2014年の非現実的傾向を創出し、新たに診断された症例との差を因果的影響と解釈した。その結果、側頭葉(+38% (95%信頼区間 -7%~78%)、前頭葉(+36%(-8%~77%)、小脳(+59%(-0%~120%)において、非現実的なGBMを超える増加が認められ、前者2つは仮説上の携帯電話使用の時間的及び空間的機序と一致した。但し、この影響は主に高齢者のグループに認められ(75歳以上及び85歳以上で最大)、このことは、携帯電話使用が重要な推定因子ではなさそうであることを示している。聴神経鞘腫及び髄膜腫発生率に対する携帯電話使用の影響についての証拠はなかった。側頭葉及び前頭葉、また恐らく小脳でのGBMの1985-2005年の傾向は、重要な推定因子としての携帯電話使用と一致しているように見えるが、年齢グループごとの分析では、この相関が因果的ではなさそうであることを示している、と著者らは結論付けている。

ばく露