[磁気共鳴画像撮影スキャナによる静磁界へのばく露は職員に対する安全上の問題を生じるか?] med./bio.

Does Exposure to Static Magnetic Fields Generated by Magnetic Resonance Imaging Scanners Raise Safety Problems for Personnel?

掲載誌: J Biomed Phys Eng 2018; 8 (3): 333-336

この研究は、磁気共鳴画像撮影(MRI)作業者の静磁界ばく露健康への悪影響、ならびに認知機能への影響を調べた。第一段階では、MRI技師120人からの情報をアンケート調査により収集した。健康への悪影響についてのデータ収集は自己申告に基づいて実施した。第二段階では、大学生ボランティア47人に対し、1.5 TのMRIスキャナの周囲で連続的に動き回るよう依頼し、全員を対象に実験の前後に視覚的反応時間及び作業記憶試験を実施した。順唱及び逆唱ディジットスパン試験を用いて作業記憶を評価した。更に、参加者にはスキャナの周囲で動き回っている間の症状を報告するよう依頼した。第一段階の結果、MRI作業者における健康への悪影響の頻度の上昇が認められた。頭痛睡眠障害筋肉痛、動悸、倦怠感、集中力散漫、注意散漫、神経過敏、腰痛等の自己申告の症状発生率は、静磁界に影響された可能性がある、と著者らは報告している。また、MRIスキャナの周囲で動き回ることが、反応時間及び作業記憶に影響し得ることも認められた。強磁界内を動き回ることは、MRI技師の認知機能における何らかの悪影響につながるかも知れない、と著者らは結論付けている。

ばく露