[時間変化する5G無線周波ばく露に対する安全限度の分析モデル及び熱用量に基づく系統的導出] tech./dosim.

Systematic Derivation of Safety Limits for Time-Varying 5G Radiofrequency Exposure Based on Analytical Models and Thermal Dose

掲載誌: Health Phys 2018; 115 (6): 705–711

10 GHz超で動作する超広帯域ワイヤレスデバイスは、数ミリ秒から数秒のバーストでデータを伝送する。時間平均及び面積平均電力密度が連続ばく露に対する受容可能な安全限度の範囲内であっても、これらのバーストばく露された人々の皮膚において短時間の温度スパイクを生じるかも知れない。この論文では、パルス化加熱に対する新規の分析的アプローチを開発し、パルス分数α(平均化時間 [INCREMENT] Tに対する;ピーク値と平均値の比率の逆数に相当する)の関数としての温度のピーク値と平均値の比率を評価した。これを、平面波及び局所ばく露に相当する2つの異なる灌流関連の熱時定数(τ1 = 100 s及び500 s)について分析した。1 K上昇を大きく超えるピーク温度を許容するため、600分間のヒト組織についての実験データに基づく損傷閾値を有するCEM43組織損傷モデルを用いて、組織損傷が生じるレベル以下に留まる大きな温度振動を許容した。現行の安全ガイドラインとの整合性を維持するため、職業的ばく露について安全係数10、一般公衆について50を適用した。モデルの仮定条件及び制約(例:採用した熱的及び組織損傷モデル、一様な皮膚、改変した時定数による局所ばく露の検討)を詳細に考察した。その結果、連続波ばく露に対する最大局所温度上昇が1 Kに限定され、α ≥ 0.1である場合、100 sの熱時定数の仮定に基づく最大平均化時間は240 sであることが示された。ピーク値と平均値の比率が100(α ≥ 0.01)と非常に小さい場合、最大平均化時間は30 sに減少する。これらの結果は、国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)が許容しているピーク値と平均値の比率が1000の場合では、短いばく露後であっても永続的な組織損傷を生じるかも知れないことを示しており、現行のばく露ガイドラインの改定の重要性を強調している、と著者らは結論付けている。

ばく露

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