電磁界を原因と考える本態性環境不耐症(IEI-EMF、いわゆる「電磁過敏症」)の人々は、モバイル通信デバイスからの電磁界にばく露されると症状を感じると主張するが、これまでの研究では一貫して、電磁界ばく露とIEI-EMFの症状との関連は報告されていない。この研究は、IEI-EMFの人々の症状の存在がノセボ効果と関連しているかどうかを調べた。2報の二重盲検誘発研究からのデータを、通信基地局が「オン」か「オフ」か確信しているかどうかについての参加者の判定に基づいて再分析した。実験1では、参加者がGSM及びUMTS基地局信号からの電磁界にばく露または疑似ばく露された場合のデータを調べた。実験2では、参加者が地上基盤無線(TETRA)システム基地局からの電磁界にばく露または疑似ばく露された場合のデータを調べた。その結果、主観的な安寧の尺度は、IEI-EMFの参加者は基地局が「オン」であると信じていた場合に、「オフ」の場合と比較して、一貫して有意に低いレベルの安寧を報告することを示していた。興味深いことに、対照群の被験者も、基地局が「オン」であると信じていた場合に、「オフ」の場合と比較して、より多くの症状と、より高い症状の重症度を報告した。これらの結果から、IEI-EMF及び対照の参加者における症状の存在は、ノセボ効果によって合理的に説明できる、と著者らは結論付けている。
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