先行研究では、デンマークの国家出生コホートにおいて、横断的データを用いて子どもの携帯電話ばく露と情動傷害との関連が報告された。この研究は、横断的分析の限界を克服するため、前向きに収集したデータを用いてこの関連を再検討した。母親の申告に基づき、7歳の時点で出生前及び出生後の携帯電話ばく露を評価した。また、7歳及び11歳の時点で情動障害を「子どもの強さと困難さアンケート(SDQ)」で評価した。多変量調整ロジスティック回帰モデルを用いて、出生前のばく露及び7歳の時点での携帯電話使用と、11歳の時点での情動障害との関連についてのオッズ比(OR)及び95%信頼区間(CI)を推定した。その結果、7歳の時点で情動障害がなかったが、携帯電話にばく露されていた子どもについて、出生前と7歳の時点の両方でばく露されていた場合のORは1.58(95% CI = 1.34-1.86)、出生前のみばく露されていた場合のORは1.41(95% CI = 1.20-1.66)、7歳の時点での携帯電話使用のみの場合のORは1.36(95% CI = 1.14-1.63)であった。アーリーアダプターを除外しても、または7歳の時点での情動障害の子どもを分析に加えても、これらの結果は本質的には変わらなかった。これらの知見は、先行研究に見られたパターンと整合し、出生前及び出生後のばく露が子どもの情動障害のリスク上昇と関連しているかも知れないことを示唆している、と著者らは結論付けている。
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