先行研究では、成人の脳の無線周波(RF)電磁界への高い累積ばく露と関連した、図形記憶スコアの変化が認められている。この研究は、新たな被験者集団、ばく露量推定、メディア使用それ自体による交絡の調整のためのアプローチを用いて、先行研究の結果のフォローアップを実施した。各被験者の脳のRFばく露量をモデル化した。言語及び図形記憶スコアの1年間の変化、ならびに、脳のRF累積ばく露量とRF関連メディア及び関連しないメディア使用の推定に対して多変量線形回帰モデルをフィットさせた。記憶には左右の脳半球による側性があることから、携帯電話通話の左右の嗜好性についての側性分析を実施した。メディア使用それ自体による交絡の調整のため、異なるメディア使用群についての階層化分析も実施した。その結果、脳の累積ばく露量のスコアの推定の四分位間範囲(IQR)の増加に関連した図形記憶スコアの低下が、サンプル全体(-0.22、95% CI = -0.47~0.03、IQR = 953 mJ/kg/日)、右利きユーザー(-0.39、95% CI = -0.67~-0.10、IQR = 953 mJ/kg/日、n = 532)、RFばく露量の推定にネットワーク事業者の記録を用いた場合(-0.26、95% CI = -0.42~-0.10、IQR = 341 mJ/kg/日、n = 274)に認められた。RFばく露と関連しないメディア使用については、データトラフィックの持続時間と言語記憶との間の一貫した(有意でない)正の関連を除いて、有意な関連も一貫したパターンも認められなかった。これらの知見は、携帯電話使用時に最もばく露される脳の領域が関与する認知機能への潜在的悪影響を示唆している、と著者らは結論付けている。
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