[低強度の非電離放射線の熱的及び非熱的な健康影響：国際的な観点] basics

この論文の著者らは、低強度の低周波及び無線周波の電磁界へのばく露が有意な健康ハザードであるが、各国機関や世界保健機関（WHO）等の国際機関はこれに適切に対処していない、と主張している。携帯電話周波数への長期間の過剰なばく露が、ヒトと動物の両方で脳腫瘍のリスクを上昇させることを示す強い証拠があり、その作用機序として活性酸素種の誘導、遺伝子発現の変化、ならびにエピジェネティック（後成的）及び遺伝的プロセスの両方を通じたDNA損傷を挙げている。また、イン・ビボ及びイン・ビトロ研究では、活性酸素種の生成による雄性及び雌性の生殖への悪影響が、ほぼ確実視されていると述べている。更に、電磁界ばく露は神経行動の低下を生じ、一般的には「本態性環境不耐症」と分類されるものの一つである「電磁過敏症」と呼ばれる症候群を呈する人々がいて、新たな生化学的指標及び画像撮影技術により、心身相関的な症状を排除した診断が可能になっている、としている。