研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[細胞毒性及びDNA修復遺伝子の発現レベルに対する電磁界、シスプラチン及びモルヒネの影響] med./bio.

Effects of electromagnetic field, cisplatin and morphine on cytotoxicity and expression levels of DNA repair genes

掲載誌: Mol Biol Rep 2018; 45 (5): 807-814

モルヒネがんにおける鎮痛薬として広く用いられており、また化学療法との組合せは標的でない細胞に対するDNA損傷作用を有することが知られている。この研究は、DNA修復経路に関与する遺伝子発現に対する、モルヒネと50 Hz電磁界との組合せ、ならびに、モルヒネ電磁界との組合せにシスプラチンを同時処理した場合の影響を調べた。MCF-7及びSH-SY5Y細胞を5.0 µMのモルヒネで処理後、15分間オン・15分間オフの間欠パターンの0.50 mT、50 Hz磁界ばく露した。遺伝子発現シスプラチン及びブレオマイシン細胞毒性を、リアルタイムPCR及びMTTアッセイで測定した。その結果、モルヒネ処理群では、調査対象の遺伝子有意な下方制御が見られたが、モルヒネ磁界処理群では、遺伝子有意な変化は認められなかった。シスプラチンのIC50はどちらの細胞株でも、モルヒネ処理群よりモルヒネ磁界処理群で有意に上昇した。シスプラチンモルヒネ磁界の同時処理では、非相同末端結合(NHEJ)関連遺伝子は有意に減少し、SH-SY5Yにおけるブレオマイシン細胞毒性を高めたが、MCF-7では高めなかった。これらのデータは、二本差切断薬の局所投与と合わせた、シスプラチンモルヒネ磁界処理の組合せが、細胞株に特異的な感作を生じる上で有望であることを示すものである、と著者らは結論付けている。

ばく露