このレビュー及びコメントは、無線周波(RF)エネルギーの局所吸収と、その結果生じる体温上昇を確立するための、画像ベースの擬人化モデルを用いた最近の熱的及び電磁気学的モデリング研究を扱っている。対象の周波数範囲は100 MHzから遷移周波数全体(ばく露ガイドラインの基本制限が比吸収率(SAR)から入射電力密度に変化する範囲、ガイドラインにより3-10 GHz)である。幾つかの詳細な熱的モデリング研究をレビューし、最近導入されたドシメトリ量である加熱係数[heating factor]と、局所人体ばく露に対する限度値によって許容される組織のピーク温度上昇に関連した異なるばく露条件で比較した。その結果、加熱係数は強固な物理量で、異なるシミュレーションモデル間のばく露を標準化するのに有益であることが示唆された。但し、潜在的なハザードの慎重な評価の際に必要となる、それぞれのばく露シナリオでピーク吸収及びピーク温度上昇が生じる身体の位置についての情報不足といった限界がある。比較が可能な範囲に限れば、熱的モデル(Penneの生体熱方程式に基づく)は実験データと合理的に一致した(但し、モデルは理論的に厳格ではなく、モデルのパラメータには不確かさがある)。特に、血流のパラメータは生理学的条件によって変化し、また定常状態での温度上昇の主な決定因子でもある。著者らは、熱的ハザードに対して一貫性のある防護レベルを提示するための、遷移周波数の前後でのばく露限度を定義するためのアプローチを示唆している。また、モデルを検証し、熱的ドシメトリを改善するため、更なる研究が必要であるとしている。
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