電磁界を原因と考える環境不耐症(IEI-EMF)[いわゆる「電磁過敏症(EHS)」]に苛まれる人々が報告する症状は、電磁界によるものではなく、ノセボ効果とより密接に関連しているという一貫した証拠がある一方、この反応がIEI-EMFの人々に特有のものかどうか、また、何がそのトリガとなるのかは依然として不明である。この研究は、認知上の電磁界ばく露が健康な被験者に症状を惹起し得るかどうか、また、「人騒がせな」ビデオを視聴することがノセボ反応を悪化させ得るかどうかを調べた。被験者を人騒がせなビデオ視聴群(N = 22)または対照のビデオ視聴群(N = 22)に無作為に割付けた後、無線周波(RF)電磁界への一連の疑似ばく露及び実ばく露による誘発試験(2回の非盲検、その後12回の無作為化、二重盲検、カウンターバランス試行)を実施した。ビデオ視聴の前後の状態不安及びリスク認知、ならびに非盲検及び二重盲検誘発試験の際のばく露の確信と症状についてのスコアを評価した。その結果、非盲検試験でRFオンではRFオフと比較して、症状のスコアが有意に高かった(p < 0.001)。二重盲検試験での症状(p = 0.183)またはばく露の確信(p = 0.144)には差は認められなかった。人騒がせなビデオを視聴した被験者は、対照群と比較して、症状(p = 0.041)、状態不安(p < 0.01)、リスク認知(p < 0.001)のスコアが有意に高かった。これらの結果は、認知上の電磁界ばく露の際の症状の存在についての認識と確信の重要な役割を明らかにするものであり、健康な被験者はノセボ反応を呈すること、また、電磁界の悪影響を強調する人騒がせなメディア報道もノセボ反応に寄与していることを示している、と著者らは結論付けている。
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