この研究は、スペインの「子どもと環境(Infancia y Medio Ambiente: INMA)」出生コホートにおける無線周波(RF)電磁界ばく露を、子どもが多くの時間を過ごす場所(自宅、学校、公園)でのスポット測定及び個人測定により評価し、彼らのばく露に最も寄与している場所及び発生源を同定するとともに、スポット測定に基づくばく露評価が個人ばく露の近似値として妥当かどうかを調べた。子どもが8歳の時点で、104人について主な場所(自宅:104、学校・校庭:26、公園:79)でスポット測定を実施した。また、50人について3日間の個人測定を実施した。個人測定及びスポット測定に基づくばく露評価を、平均ばく露とばく露依存カテゴリーの両方について比較した。その結果、スポット測定によるばく露レベルの中央値は29.73(子どもの寝室)~200.10 μW/m^2(学校の校庭)の範囲で、屋内よりも屋外で高かった。個人ばく露の中央値は52.13 μW/m^2で、スポット測定に基づく中央値のレベルは25.46~123.21 μW/m^2の範囲であった。スポット測定によれば、ばく露に最も寄与した発生源は、FMラジオ、携帯電話ダウンリンク、地上デジタルTV放送で、屋内及び個人用の発生源の寄与は非常に小さかった(全体で< 20%)。個人測定でも同様の分布が認められた。個人測定と、スポット測定に基づく推定値との間には、電力密度に比例したバイアスがあったが、被験者をばく露カテゴリーに分類する際には、測定方法間で体系的な差は生じなかった。RFばく露全体についての個人測定では、自宅と寝室でのスポット測定との一致は低~中程度であり、子どもが多くの時間を過ごす場所(自宅、学校及び公園)でのスポット測定に基づく時間加重平均値(TWA)の方が、より良好に一致していることが示された。スポット測定に基づくばく露評価は、全ての重要な場所で測定されるのであれば、子どもの集団における個人ばく露を格付けするための近似値として利用できる、と著者らは結論付けている。
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