[低レベルのマイクロ波放射の影響の物理的機序を理解する] basics

このレビュー論文は、低レベルのマイクロ波放射の影響の機序を、既刊の研究結果に基づいて説明することを目的として、理論的及び実験的な研究結果の分析を提示している。二極性分子の回転は誘電媒体を分極させ、分子間の水素結合の再構成を生じる。弱められた水素結合は粘性を低下させ、一定温度での拡散を強める。提案されているモデルのどの段階でも、マイクロ波周波数では重要な周波数の制約はなく、そのことは電磁界理論や機関の実験結果によって確認されている。コヒーレントなマイクロ波電界の同期的・累積的なインパクトは、電界強度が分子間力よりも遥かに弱いにもかかわらず、電界による影響を生じ得る。二極性分子の回転は、マイクロ波放射のエネルギーが分子間の水素結合エネルギーよりも遥かに低いにかかわらず、結合の再構成を生じる。媒体中のコヒーレントなマイクロ波の累積的なインパクトは、媒体の測定可能な誘電率によって確認されている。マイクロ波による影響の作用機序は、この作用の性質が熱作用とは異なり、マイクロ波ばく露は生物及び材料に、通常の熱特有とは異なる固有の結果を生じ得ることを確認するものである、と著者らは結論付けている。