この研究は、無線周波(RF)電磁界への急性ばく露が、事象関連電位(ERP)で示される早期(80-200 ms)感覚及び後期(180-600 ms)認知プロセスに影響するかどうかを調べた。健康な被験者30人が、組織10 gあたりのピークSARが0 W/kg(疑似ばく露)、1 W/kg(低ばく露)、2 W/kg(高ばく露)のGSM様920 MHz信号と同時に、視覚的識別課題を実施した。十分な無作為化、カウンターバランス、二重盲検デザインを用いた。その結果、ばく露時は疑似ばく露と比較して、P1振幅が減少し(p = 0.02)、前方N1潜時が増加した(p = 0.04)。その他のERP潜時または振幅への影響はなかった。RFばく露は早期知覚(P1)及び予備的運動(前方N1)プロセスに影響するかもしれないが、RFばく露群と疑似ばく露群で差が認められたのは、比較した56の尺度のうち2つだけであったことから、この結果は偶然によるものかもしれない、と著者らは結論付けている。また、この結果は、RFばく露には認知機能(例:精度及び反応速度)に対する信頼し得るインパクトはないという先行研究の知見と一致する、と述べている。
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