この研究は、ラットの吻側移動経路(RMS:脳室下部領域の神経芽細胞の移動経路)における細胞増殖及び細胞死に対するマイクロ波の影響を調べた。成獣及び幼若(2週齢)ラットを2.45 GHzのパルス化マイクロ波に3時間/日、3週間ばく露した。成獣ラットを、ばく露直後に屠殺、ばく露の2週間後に屠殺の2群に割付けた。幼若ラットは成獣期まで飼育し、明暗検査を実施した。RMSにおける増殖中の細胞をKi-67で標識化した;死んだ細胞をFluoro-Jade C組織化学法で可視化した。成獣期にばく露した両群において、RMSで分裂中の細胞の数の有意な減少が認められた。幼若ラットのばく露は、細胞増殖の僅かな減少しか生じなかったが、ばく露の2か月後でも細胞死には著しく影響した。加えて、これらのラットは自発運動高進を呈し、成獣期のリスク評価が低下した。この結果は、細胞の生存と動物の行動に影響することで、マイクロ波が長期間にわたって影響力を及ぼし続けることを示すものである、と著者らは結論付けている。
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