この研究は、自律神経系に対して生じるかも知れない無線周波(RF)電磁界の影響を調べた。健康な学生46人について、横たわった状態から起立状態への移行時の心拍変動(HRV)を測定した。各試行に対し、54±1.6 V/mの1788 MHzパルス波を間欠的に18分間印加した。最大SARは0.405 W/kgとされた。呼吸数も測定し、被験者の電磁界ばく露の認知も推定した。その結果、RFばく露は横たわった状態の被験者の心拍を低下させたが、起立状態では変化は見られなかった。横たわった状態でのばく露後、HRVの高周波帯及び逐次差の二乗平均値が上昇し、副交感神経活動の増加が示された。耳内温度及び皮膚温度の測定では、RFばく露下での加熱は見られなかった。呼吸数に対するRFの影響は認められなかった。実ばく露と疑似ばく露を区別できた被験者はいなかった。横たわった状態での学生の短期的なRFばく露は自律神経系に影響し、疑似ばく露群と比較して副交感神経活動を有意に増加させた、と著者らは結論付けている。
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