この研究は、職業及び軍事環境での無線周波(RF)電磁界がヒトに対する発がん因子かどうかを調べるため、主に通信設備及びレーダーに長期間にわたって全身RFばく露された既報のがん症例群について、特に血液リンパ系(HL)がんに焦点を絞って分析を拡張した。この研究では、がん症例の総数に対する特定のタイプのがんの割合を意味する、がんのタイプの百分率度(PF)を分析した。また、別の国々の同様の軍事環境からの他の3つのコホート研究についての発表済みのデータも分析した。その結果、このがん症例群におけるHLがんのPFは非常に高く、当該年齢・性別プロファイルに対する期待値23%に対して40%(95%信頼区間(CI)26-56%、p < 0.01)で、患者47人のうち19人がHLがんを呈していた。また、多重がんについて高いPFが見られ、これは他の3つのコホート研究と同様であった。ポーランドの軍事環境では、ばく露群のHLがんのPFは36%、非ばく露群では12%であった(p < 0.001)。イスラエルの防衛産業においてばく露された従業員の小グループでは、HLがんのPFは60%、当該年齢・性別プロファイルに対する期待値は17%であった(p < 0.05)。ベルギーのレーダー部隊では、HLがんのPFは8.3%、対照の部隊では1.4%であった。同様の知見が、アマチュア無線技士及び朝鮮戦争の技師について報告されている。異なる研究プロトコルで分析した、3か国・4グループにおけるRF電磁界とHLがんのリスク上昇との一貫した関連は、軍事/職業環境でのRFばく露とHLがんとの因果関係を示唆している、と著者らは結論付けている。
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