この研究は、性成熟期のラットにおける慢性的な無線周波(RF)電磁放射へのばく露後の扁桃体の形態及び感情的な行動の変化を評価した。4週齢の雄のWistarアルビノラットを、サイレントモードの携帯電話からの900 MHz(電力密度146.60 μW/cm^2)に28日間ばく露した。扁桃体の形態を、クレシルバイオレット、TUNEL及びゴルジ‐コックス染色で調べた。場所嗜好行動を、明暗室試験で調べた後、脳のカスパーゼ-3活性を判定した。その結果、RFばく露後、扁桃体基底外側部及び皮質扁桃体では健全なニューロンの数が減少したが、中央扁桃体では減少しなかった。また、RFばく露は扁桃体でのアポトーシスも誘導した。RFばく露は扁桃体基底外側部での樹状突起形成パターンを変化させたが、中央扁桃体では変化させなかった。RFばく露後に場所嗜好行動及び多動性様行動の変化が認められたが、脳のカスパーゼ-3活性は変化しなかった。RFばく露は扁桃体の正常な細胞構造を乱しこれが場所嗜好の変化と関連している、と著者らは結論付けている。
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