[RF接触電流に対する限度値設定についての見通し:解説] misc.

Perspectives on setting limits for RF contact currents: a commentary

掲載誌: Biomed Eng Online 2018; 17: 2

無線周波RF接触電流に対するばく露限度値は、RFが印加された物体への接触の際の局所組織の高い電流密度によって生じるRF火傷の防止を意図している。この著者らは、人体と接触電流発生源との極めて小さい面積での接触[touch contact]についてレビューした。接触電流限度値は元々、人体の小さな断面積(手首や足首等)を通じた電流から生じる比吸収率SAR)の制御に基づいて設定された。より最近では、接触電流熱の知覚閾値に基づいている。北大西洋条約機構(NATO)向けに策定された電気電子学会(IEEE)の最新の規格では、接触電流は温感または熱による痛みの知覚閾値を測定した2つの研究に基づいている。重要なことに、これらの研究は被験者接触電流発生源との導電性接触を最大化している。この要因は、高導電性接触から生じるよりも数倍高い乾燥肌等からの高抵抗性接触が生じる部位での熱に対する応答に対して支配的であることがわかった。複数の研究間のデータを比較する場合、電極のサイズや形状、電流の周波数及び接触に関連する物理的な力といった他の要因が、閾値に不確かさを生じることがわかった。接触電流を所与の閾値に対して最小化する研究に依存することは、保守的な限度値につながらない、と著者らは結論付けている。また、接触電流に対する電度値の策定のための今後の作業には、(1) 限度値の根拠(防護、痛み組織損傷)、(2) 接触抵抗、接触電極のサイズ及び形状、接触点に作用する力といった、接触電流に対する現実世界でのばく露の実際的な条件の理解、(3) 異なる研究者間での研究に接触電流を適用する方法についての一貫性、(4) 周波数の影響、を考慮することが望ましい、としている。

ばく露