この研究は、電磁界からの人体防護のための現行の2つの国際ガイドライン/規格のばく露限度の保守性を検討するため、人体頭部モデルにおいて血管拡張を考慮して温度上昇を検討した。ダイポールアンテナからの300 MHz-10 GHzの平面波放射にばく露された解剖学的人体頭部モデルで温度上昇を計算した。FDTD法を用いて人体モデルにおけるSARをまず計算し、血管拡張をシミュレートした体温調節を考慮して生体熱輸送方程式を解くことで温度上昇を計算した。その結果、脳内の最大の温度上昇は末梢部に生じた。より高いばく露強度では、温度上昇はより大きくなり、100 W/kgのピークSARで約40℃に達し、より高い周波数ではより低くなった。現行のばく露限度の10 W/kgでの脳内の温度上昇は最大で0.93℃であった。血管拡張の影響は1-2℃を超える組織温度上昇及び10 W/kgのSARに対して顕著になった。末梢部での温度は脳の基底温度(37℃)よりも低かった。職業ばく露に対する現行のガイドライン以下での温度上昇は、日常生活における環境変化に対する脳の温度の変動の範囲内であった。血管拡張の影響は、皮膚の温度上昇が支配的なより高い周波数で特に有意であった、と著者らは結論付けている。
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