[自家移植後に静磁界下でガラス化したマウス卵巣組織の機能] med./bio.

この研究は、自家移植後のガラス化プロセス中の卵胞の生存能力に対する1 mTの静磁界の影響を調査した。第一段階では、雌のNMRIマウス（6-8週齢）の卵巣を無作為に3群（摘出直後の卵巣を固定液で固定（対照群）；卵巣を静磁界ばく露なしでガラス化（V1群）；卵巣のガラス化プロセス中に静磁界ばく露（V2群））に無作為に割付けた。第二段階では、ガラス化した卵巣（V1およびV2群）および摘出直後の卵巣組織を、当該マウスの背筋に自家移植した。どちらの段階でも、活性アポトーシスカスパーゼ-3抗体の形態学的側面および分子特性を評価した。その結果、形態学的に健全な原始卵胞、一次卵胞および胞状卵胞の割合が、V1群（それぞれ67.6、49.5、17.6%）では対照群（それぞれ97.3、85.4、42.1%）およびV2群（94.1、78.8、40.9%）よりも低かった。また、自家移植後の形態学的に健全な卵胞の平均的な割合が、V1群では他の群よりも統計的に低かった。前胞状卵胞におけるアポトーシス率が、V1群では他の群よりも有意に高かった。ガラス化中のマウスの卵巣の静磁界ばく露は損傷耐性を高める、と著者らは結論付けている。