[ラットにおけるモルヒネの鎮痛作用への耐性の進行に対する超低周波磁界の影響] med./bio.

Effects of extremely low frequency magnetic field on the development of tolerance to the analgesic effect of morphine in rats

掲載誌: Bioelectromagnetics 2017; 38 (8): 618-625

この研究は、ラットにおけるモルヒネの鎮痛作用への耐性に対する超低周波(ELF)磁界の影響を調べた。ラットモルヒネ(10 mg/kg)を1日1回、連続8日間注射して、モルヒネへの耐性を与えた。モルヒネ注射の前、直後、または30分後にラット磁界(50 Hzに1、50、100 μTで30分間)、および注射の前に0.5、6、12、30 Hzに100 μTで30分間、同時にばく露した。モルヒネによって生じ得る最大の作用のパーセンテージ(% MPE)を、1、4、8日目にホットプレート試験で測定した。その結果、モルヒネ注射の直前の磁界照射(50 Hzに1 μTで30分間、および30 Hzに100 μTで30分間)ならびに注射後の磁界照射(50 Hzに100 µT)は、対照群と比較して、モルヒネ耐性の進行を防止することが認められた。また、モルヒネ注射後の磁界ばく露(50 Hzに1、50、100 μTで30分間)はモルヒネの鎮痛作用を維持できないことも認められた。これらの結果は、モルヒネ注射の直前または直後のELF磁界ばく露(30および50 Hz)は、ラットにおけるモルヒネ耐性の進行治療のための潜在的方法かも知れない、と著者らは結論付けている。

ばく露