この研究は、磁気共鳴(MR)設備の静磁界内で動く操作員のばく露を、磁束密度の測定を通じて評価し、収集したデータを最新の安全基準と比較した。MR環境中で動くボランティアが装着したプローブを用いて磁束密度Bを測定した。1.5 T、3 Tおよび7 Tの全身スキャナの近くで合計55のデータセットを取得した。3つの異なる指標:Bの最大強度(欧州指令2013/35/EUの静磁界に対するばく露限度値との比較のため);3秒間隔でのベクトルBの最大変動(空間識失調作用の防止を意図したICNIRP(2014)の基本制限との比較のため);2つの加重ピーク指標(「感覚」影響および「健康」影響について:SENS-WP、HLTH-WP)を適用し、刺激作用の防止のためのICNIRP(2014)およびEU指令への適合性を評価した。その結果、55のデータセットのうち9つで、|B|のピーク値が2 Tよりも大きかった。1.5 Tおよび3 Tについての全てのデータセットは、空間識失調作用に対する限度値に適合していたが、7 Tについての6つのデータセットは適合しないことがわかった。7 Tでは、36のデータセットは全てSENS-WP指標に適合せず、26のデータセットはHLTH-WP指標にも適合しなかった。著者らは、この結果は、静磁界に対するEU指令の限度値への適合性はICNIRP(2014)の参考レベルへの適合性を担保せず、静磁界内での動きはMR設備での電磁界への職業ばく露の重要な要素となり得ることを示している、と結論付けている。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。