神経毒性はシスプラチン(CDDP)の単独または他の化学物質との組合せでの主な用量制限的な悪影響の一つとして知られている。DNA修復能は、CDDPに対する神経防護因子として作用する。この研究は、50 Hz磁界とCDDPおよびブレオマイシン(Bleo)との組合せが、MCF-7(乳がん)およびSH-SY5Y(神経芽腫)細胞株における幾つかのDNA修復遺伝子(GADD45A、XRCC1、XRCC4、Ku70、Ku80、DNA-PKcsおよびLIG4)に及ぼす影響を評価した。MCF-7およびSH-SY5Y細胞を、磁界ばく露あり/なしでCDDPで前処理し、異なる濃度のBleoにばく露した。磁界(0.50 mT)を間欠的(15分間オン/15分間オフ)に合計30分間ばく露した。CDDP+BleoおよびCDDP+磁界+Bleo処理について、定量的リアルタイムPCRで遺伝子の転写レベルを測定した。その結果、CDDP+磁界+Bleoで処理したMCF-7細胞は、CDDP+Bleoで処理した場合と比較して、感受性がより高いが、SH-SY5Y細胞の感受性にはどちらの処理でも差は認められなかった。MCF-7およびSH-SY5Y細胞では、14条件のうち11条件でDNA修復遺伝子のランダムでない不一致が示された。著者らは、この知見は、がん患者におけるCDDP誘導性の神経障害を防護しつつ、乳がんを感作化するのに有望となり得る、と結論付けている。
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