[電磁過敏症の集団における自律神経系の評価:心拍変動および皮膚の導電率研究] med./bio.

An assessment of the autonomic nervous system in the electrohypersensitive population: a heart rate variability and skin conductance study

掲載誌: J Appl Physiol 2017; 123 (5): 1055-1062

本研究は、自己申告の電磁過敏症(EHS)群およびこれにマッチした対照群自律神経系ANS)の活動を比較した。また、異なる無線周波RF)信号への急性ばく露がEHS群のANSを変化させるかどうかを調べた。この目的のため、ANSの活動を心拍変動(HRV)および皮膚の導電率(SC)を評価した。1つ目の実験で、EHS群(n = 30)および対照群(n = 25)を比較したところ、EHS群は聴覚刺激に対する反応の回数が増加した(皮膚のコンダクタンスで測定)。短期的な心拍変動のパラメータについては両群で差は認められなかった。シールドチャンバー内で実施した2つ目の実験にはEHS群の10人が参加した。被験者は2つのセッション(偽ばく露および実ばく露)で、環境レベル(1 V/m)4つの電磁界信号(GSM 900、1800、DECT、Wi-Fi)に連続してばく露された。実験は二重盲検・カウンターバランス法で実施した。その結果、2つセッション間でHRVに差は認められなかった。皮膚のコンダクタンスについては、セッション間で差は認められなかったが、時間的なばらつきが認められた。著者らは、非ばく露条件ではEHS群と対照群でHRVおよびSCに有意差は認められず、ばく露は調査したANSのパラメータに影響しなかった、と結論付けている。

ばく露

研究助成