研究のタイプ: リスクコミュニケーション/リスク認知の研究 (実際的研究)

[RF電磁界のリスク認知の再考:懸念の対象はリスク認知研究に充分か?] risk

RF EMF Risk Perception Revisited: Is the Focus on Concern Sufficient for Risk Perception Studies?

掲載誌: Int J Environ Res Public Health 2017; 14 (6): E620

リスク認知研究では、アンケート調査で[参加者が]示した懸念は、日常生活における[参加者の]懸念を反映していると暗黙的に仮定している。この研究は、この仮定を確認するため、日常生活におけるリスク認知を多次元アプローチによって測定した。リスク認知の程度の測定に加えて、リスク認知の主題的関連性(人々があるリスク問題をどの程度の頻度で考えるか)も調査した。これらを考慮に入れて、携帯電話基地局、Wi-Fiルータ等のアクセスポイント、および携帯電話からの無線周波RF電磁界の潜在的リスクについて、欧州6か国でオンライン調査を実施した(回答数2454人)。その結果、アンケート調査で高いレベルの懸念が示されても、それが日常生活に主題的に関連している[リスク問題を頻繁に考えている]ことを必ずしも意味しない、ということがわかった。長期的に懸念している参加者[アンケート調査で高い懸念を示し、かつ頻繁にそのリスク問題を考えている人々]は、そうでない参加者と比較して、RF電磁界ばく露は道徳的で感情的な問題であるとみなす度合いが強いことが示された。また、長期的に懸念している参加者は、自分たちがRF電磁界に強くばく露されていると考えていることがわかった。但し、こうした違いはあるものの、主題的関連性のレベルが高い[リスク問題を頻繁に考えている]参加者であっても、近隣への基地局の受容性の改善のための手段としてのばく露の低減には敏感であった[ばく露低減によって受容性が改善された]。著者らは、RF電磁界を用いた通信技術の受容性のためにはばく露の低減が重要であることが示された、と結論付けている。

リスク認知

影響評価項目

ばく露