研究のタイプ: サーベイ (医学/生物学の研究)

[磁気共鳴画像撮影:静磁界および高周波電磁界の生物学的影響についての最近の研究] review

[Magnetic resonance imaging : Recent studies on biological effects of static magnetic and high‑frequency electromagnetic fields]

掲載誌: Radiologe 2017; 57 (7): 563-568

近年、磁気共鳴画像撮影(MRI)に用いられる強い静磁界生物学的影響および高周波電磁界熱作用についての新たな研究が発表されているが、それらの多くは現行の防護指針には盛り込まれていないことから、この論文は、2010年以降に発表された静磁界および高周波電磁界生物学的影響に関する論文を評価した。その結果、新たな研究では、感覚器に対する静磁界の影響を記述した過去の論文が確認された;前庭系の三半規管におけるイオン電流に対するローレンツ力の直接的な影響についての新たな結果が報告されている;高周波電磁界熱作用についての最近の研究は、解剖学的に現実的な人体モデルの開発と、ばく露シナリオのより精密なシミュレーションに焦点が絞られている、ということがわかった。著者らは次のことを推奨している:強い静磁界は不快感(特に空間識失調)を生じ、医療従事者の遂行能力に影響力を及ぼし得るので、患者の安全性を危険にさらす潜在的可能性がある。念のための措置として、医療従事者は勾配のある磁界内ではゆっくりと動くことが望ましい;高周波電磁界は患者の組織および臓器の温度上昇につながるので、体温調節に制約のある患者ならびに妊婦および新生児については、このことを特に考慮することが望ましく、その場合は可能な限りばく露を低くすることが望ましい。

影響評価項目

ばく露