この研究は、ナチュラルキラー(NK)細胞のマイクロ波による形態学的および機能的な損傷を調査した。NK-92細胞を10、30、および50 mW/cm^2のマイクロ波に5分間ばく露し、ばく露の1および24時間後に、超微細構造の変化、細胞のアポトーシス、細胞周期制御を調べた。ばく露の1時間後に細胞毒性活性を分析した。ばく露の1、6、および12時間後にパーフォリンおよびNKG2Dの発現を検出した。メカニズムの解明のため、ばく露の1時間後にリン酸化ERK(p-ERK)を検出した。更に、U0126を用いたERKシグナル伝達の遮断後、マイクロ波による細胞のアポトーシスおよび細胞周期制御を分析した。その結果、ばく露の1時間後に、マイクロ波による形態学的および超構造の損傷、用量依存性のアポトーシス(P < 0.001)および細胞周期停止(P < 0.001)が認められた。50mW/cm^2のマイクロ波ばく露の24時間後にも、有意なアポトーシスが認められた(P < 0.01)。30 mW/cm^2のマイクロ波ばく露では、マイクロ波は1時間後にNK-92細胞の細胞毒性活性を弱め、1および6時間後にパーフォリンを下方制御した(P < 0.05)。ばく露の1時間後にはp-ERKが下方制御された(P < 0.05)が、ERK遮断はマイクロ波によるアポトーシス(P < 0.05)およびパーフォリンの下方制御(P < 0.01)を有意に促進した。著者らは、マイクロ波はおそらくアポトーシスおよびパーフォリン発現のERK介在性制御を通じて、NK-92細胞に用量依存的に形態学的及び機能的損傷を生じる、と結論付けている。
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