この論文は、携帯電話使用と頭頚部の腫瘍のリスクとの関連を評価した国際症例対照研究(INTERPHONE研究)におけるカナダのデータを再分析したものである。INTERPHONE研究の本論文では、「バイアスと誤差が因果的な解釈を妨げている」と結論付けられている。この論文は、記憶想起の誤差および選択的な参加についての情報源として請求書記録および非参加者向けのアンケートを用いて、確率論的多重バイアスモデルを適用して可能性のあるバイアスを同時に扱っている。このモデリングでは、これらの不確かさの発生源を調整し、解釈を容易にしている。その結果、神経膠腫については、携帯電話の使用時間が最も高い四分位値(生涯の使用時間が558時間超)と非定常的使用者を比較したオッズ比(OR)は2.0(95%信頼区間(CI)=1.2-3.4)、選択バイアスおよび記憶想起バイアスを調整後のORは2.2(95%CI=1.3-4.1)であった。髄膜腫、聴神経鞘腫、耳下腺腫瘍については、携帯電話使用に関連したリスク上昇の証拠はほとんどなかった。著者らは、選択バイアスおよび記憶想起バイアスについての調整は、カナダの結果における解釈を本質的に変更するものではなかった、と結論付けている。
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