この研究は、不確かな環境健康リスクばく露受けた住民の健康反応の潜在的多様性を調べることを目的に、新規の高電圧電力線(HVPL)稼働を例にとり、その新規HVPLに対する反応が住民のサブグループによって異なるか否かを探索した。準実験的な前向きのフィールド研究として、住民(HVPLから住宅までの距離が0-300 m:n = 229)に質問票調査を、新規HVPL建設中に2回(事前調査)、稼働後に2回(事後調査)実施した。質問票は、住民自身の健康状態および環境認知に関するものである。潜在成長モデル(Latent Growth Model)を適用して、「健康苦情が電力線によって引き起こされる」という信念についての住民集団内での異質性を調べた。その結果、ネガティブ傾向の性格特性、身体的および精神的健康認知、環境認知などの変数の分析により、調査対象者は5つのクラスに分類できた;最大のクラス(49%)は、感情的安定、健康、新規HVPL導入への弱い反応で説明された;稼動されるHVPLへの反対が他のクラスより強かった少数派(9%)の特徴は、事前に電力線の健康影響についてより多くのことを聞いていた、新しい電力線の稼動をより強く意識していた、事後に健康認知の低下を報告したことである;これらの知見に基づけば、新規HVPLに対する住民の健康反応には相当程度大きな異質性が存在すると結論できると報告している。
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