この研究は、MOBI-Kids症例対照研究において、携帯電話およびコードレス電話の使用による脳の低周波電磁界(ELF)ばく露を評価する目的で、測定および数値モデル計算を実施した。測定対象は、GSM携帯電話、UMTS携帯電話、コードレス電話(DECT)、Wi-FiのVoIPの4種類の通信システムである。送受信時の電話機発生磁界を制御された実験環境下で測定し、そのデータにフィットさせた等価的なループに基づき、計算に用いる3次元外挿磁界を生成した。これらの磁界にばく露した脳内誘導電流密度および電界強度を人体ボクセルモデル(8、11、14歳児および成人)で計算した。その結果、DECT通話中の脳内誘導電流密度は、GSM通話中のものより1桁小さいが、UMTS通話中のものの2倍以上になる可能性が高い;Wi-Fi VoIP通話中の平均電流密度は、UMTS通話中のものより30%低いことが示されたが、サンプル間の変動が大きかった;電流密度に関しては周波数スペクトルによる寄与率の考慮が重要である(特にDECTにおいて);脳内ELF誘導電流密度の空間分布は、電話機の物理特性(特にバッテリの位置)によって決まるが、振幅は主に通信システムの種類で決まることが示された;今回使用したファントムの数は、年齢に伴う誘導電流密度増加の決定的な証拠を提供するには十分ではないが、今回得られたデータから、もしそのような影響があったとしても、その影響は非常に小さい可能性が高いことが示された、と報告している。
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