この研究は、チャイニーズハムスター肺線維芽細胞株V79を用いて、UMST無線通信信号である1950 MHzの無線周波（RF）電磁界ばく露の影響を調べた。SAR値0.15-1.25W/kgでの20時間ばく露による遺伝毒性および細胞毒性的影響を細胞分裂阻害小核（CBMN）分析法で評価した。厳密なドシメトリと温度管理の下、ばく露はブラインドで行われた。RF単独ばく露（0.15、0.3、0.6、1.25W/kg）の場合、SAR値0.15および0.3W/kgばく露群では、擬似ばく露群に比べ、MN頻度増加が有意であったが、細胞毒性は見られなかった；0.6および1.25W/kgばく露群では、影響は何も観察されなかったと報告している。さらに、RFの事前ばく露（0.3または1.25W/kg）後に500ng/mlのマイトマイシンC（MMC）処置を行い、化学的突然変異原に対する保護作用がRFにより誘導されるか否かを調べた結果、MMC単独処置群に比べ、1.25W/kgの事前ばく露+ MMC処置群では、MN頻度の有意な減少が見られ、適応反応の誘導が示唆された；0.3W/kgの事前ばく露ではこのような減少は見られなかった､と報告している。
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