この研究は、母子環境保健(MOCEH)研究における通信用無線周波放射への出生前ばく露評価のため、携帯電話使用についての質問票、携帯電話使用に関するオペレータデータおよび個人ばく露計(PEM)での測定の有用性を検討した。MOCEH研究は、2006年開始のマルチセンタ方式の前向きコホート調査で、妊娠20週以内で参加登録された母子一組単位の参加者(n=1228)を追跡調査し、出生前の環境ばく露と小児の健康との関連を評価することを目的としている。質問票には1日当たりの平均通話回数、平均通話時間が含まれた。PEMによる測定は、2007年11月から2010年8月の間に、269人の妊婦で実施された。オペレータデータは21人の参加者について入手された。3つの方法で得た情報について、スピアマンの順位相関係数を計算した。その結果、オペレータデータと質問票による1日当たりの平均通話回数、平均通話時間は高い相関を示した(それぞれρ=0.6、p=0.004;ρ=0.5、p=0.02);質問票による携帯電話使用データとPEM測定値の相関は弱かった;しかし、オペレータデータでの1日当たりの平均通話回数、平均通話時間とPEM測定値の内の移動体通信ばく露インデックスとの相関は有意に高かった(それぞれρ=0.44、p=0.07;ρ=0.49、p=0.04)、と報告している。
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