この研究は、ATM遺伝子（毛細血管拡張性運動失調症（AT）患者で変異している遺伝子）に着目して、この遺伝子に違いがある（Atm+/+あるいはAtm-/-）マウス胚線維芽細胞（MEFs）のゲノムDNAに対する1800MHzの無線周波数電磁界（RF-EMF）ばく露の影響を比較した。その結果、Atm+/+のMEFsでは、RF-EMFばく露（4.0W/kg、1時間）がDNA1本鎖切断（SSBs）を有意に引き起こし、SSB修復メカニズムを活性化した；この修復メカニズムにより、ばく露から36時間後においては、DNA損傷はバックグラウンドレベル以下まで減少した；Atm-/-のMEFsでは、RF-EMFばく露（4.0W/kg、12時間）がSSBsおよび2本鎖切断の両方を引き起こし、2つの修復プロセスを活性化した；この場合も、ばく露から十分に時間が経過すると、DNA損傷は対照群レベル以下まで減少した；観察された現象は低用量の毒性物質におけるホルミシス効果に類似している､と報告している。
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