<目的>胸腺細胞におけるCon-A刺激によるカルシウム流入に対して60分の変動磁界が影響を与えるという仮説の検証を行うことを目的とした。 <方法>YostとLiburdyらの方法に従い、ラットから胸腺Tリンパ球を取り出した。トリパンブルーにより生存細胞を確認した後^45Ca^+を加えた。Tリンパ球の細胞膜を通過する^45Ca^+をCon-A刺激および磁界曝露の後で測定した。Con-A 刺激を行わない細胞、Con-A刺激のみの細胞、およびCon-A刺激と磁界曝露を行う細胞における^45Ca^+を測定した。磁界曝露装置は3組のソレノイドコイルで構成される。その内1組は垂直方向の地磁気成分をキャンセルする。2番目の水平方向コイルは234mGの定常磁界を発生する。また、3番目の水平方向コイルは16Hz、421mGの変動磁界を発生する。環境商用周波数(60Hz)の磁界レベルは1mG程度であった。<結果および結論>Con-A濃度を0~100μg/ml で増加させることで、胸腺Tリンパ球のカルシウム取り込み量は増加した。しかし Con-A刺激と磁界曝露の両方を同時に細胞に与えてもカルシウム取り込み量に差異は見られなかった。実験条件等にYost-Liburdyらと違いがあるものの、Con-A刺激によるカルシウム流入に対する変動磁界影響の仮説は支持できなかった。
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