[マイクロ波エネルギーに対するヒト皮膚の熱的応答:批判的レビュー] tech./dosim.

Thermal Response of Human Skin to Microwave Energy: A Critical Review

掲載誌: Health Phys 2016; 111 (6): 528-541

この論文は、周波数範囲3-300 GHzのマイクロ波およびミリ波による組織の温度上昇に関するレビュー/モデル化研究である。収集された関連論文から採られたパラメータの値を調整せずに用いて、Pennesによる生体熱伝達方程式(BHTE)に基づく単純熱モデルを作成した。その結果、モデルの予測値は、入手可能なデータと大変良く一致した;このモデルのパラメトリック分析で、熱伝達の支配的メカニズムが異なる2つの加熱形態の存在が示された(ばく露面積が小さい場合(半径が約0.5-1cm以下)、皮膚表面の温度上昇は、主としてより深い組織層への熱伝導により制限される;ばく露面積がそれ以上の場合、定常的な温度上昇は、血液灌流による対流冷却のために制限される)と報告し、結論として、特に皮膚ばく露面積が小さい場合、3 GHzを超える周波数においては、RF安全限度値の策定および評価を支援するために、この単純な熱モデルの有効性が裏付けられたが、直径1-2cmより広い面積の皮膚への数分間以上の継続ばく露に対する温熱反応データは入手が限られていた、と述べている。

ばく露