[電磁界は坐骨神経切断後の神経成長因子活性とレベルに影響する] med./bio.

Electromagnetic fields influence NGF activity and levels following sciatic nerve transection

掲載誌: J Neurosci Res 1999; 55 (2): 230-237

<目的>パルス電磁界は末梢神経再生促進することが報告されているが、そのメカニズムはいまだに判然としない。神経を切断すると種々の細胞及び細胞内プロセスをひきおこすがNGFの役割は広く研究されている。NGFは標的細胞から逆行性輸送により細胞体へ運ばれるものと考えられている。本実験ではパルス電磁界神経のNGF活性and/orレベルを変えるのではないかとの仮説をテストした。 <対象・方法>雄SD系ラット坐骨神経を大腿部で切断、皮膚を縫合。0.3mT、パルス幅20ms繰り返し頻度2Hz。L5後根神経節(DRG)、切断中枢側、同末梢側及び非切断側の坐骨神経各5mmを取り出した。NGFはBioassay及びELISA法により測定した。 <結果>図1に示すように切断末梢側で1日後にNGF様活性が最大になった。以前の実験と異なり中枢側でも増加し1日後に最大になった(以前は中枢側では低下した)。全体として表Ⅰに示すようにパルス電磁界はNGF様活性の有意の低下をもたらした。図2にはDRGでは非切断側でも増加していることを示す。表ⅡはNGF活性の値がパルス電磁界により有意の低下を示す。図3には経時的に各部のNGFレベルを示す。末梢側で6時間、24時間で有意に低下している。他の点も有意差はないもののコントロールに比べ低い。パルス電磁界は障害を与えない側の神経線維及びDRGには何の影響も与えない。今回の実験結果はパルス電磁界による神経再生促進パルス電磁界によるNGFの変化との間の因果関係を示すものではない。しかしNGFはパルス電磁界による再生促進過程に関係していることを示唆している。

ばく露

関連論文