[静磁界中を移動する生体組織における誘電分極の過渡現象] tech./dosim.

Dielectric polarization transients in biological tissue moving in a static magnetic field

掲載誌: Bioelectromagnetics 2016; 37 (6): 409-422

この研究では、強い静磁界MF)中での人体の移動により誘導される電界(EF)に対する誘電分極の影響を検討した。通常、静磁界中を移動する媒質にはローレンツ力が生じ、それが媒質内に電流と誘電分極を引き起こす。ただし生体材料の場合、導電率が高いために分極電荷の非平衡に起因する分極現象は無視できると仮定されている。しかしここでは、生体組織誘電率は極めて高く、自由電子の緩和時間は比較的短いことを考慮して、この仮定について改めて検討を行った。一様MF中を並進および回転する球体モデル(脳および骨と等価な媒質からなる)について、マクスウェル方程式から解析式を導出した。結果として、生体組織の場合は、誘電過渡現象は無視することができるが、導電率の低い非生物材料の場合は無視できないことが示された、と報告している。

ばく露