研究のタイプ: サーベイ (医学/生物学の研究)

[超低周波磁界と小児白血病のリスク:ARIMMORAコンソーシアムによるリスク評価] review

Extremely low-frequency magnetic fields and risk of childhood leukemia: A risk assessment by the ARIMMORA consortium

掲載誌: Bioelectromagnetics 2016; 37 (3): 183-189

この総説は、「リスク評価を目的とした電磁界ばく露生物の相互作用メカニズムに関する先進的研究」(ARIMMORA)プロジェクトの知見を中心に、2015年3月までに公表された科学的証拠に基づき、超低周波磁界(ELF-MFばく露による小児白血病ハザード評価を行った。概要は以下の通り;IARCモノグラフの評価方式をハザードの確認に適用した;ARIMMORAでは初めて、小児白血病の最も多い病型を模したトランシジェニックマウスが用いられ、新しく病因に係わるメカニズムの示唆もあったが、決定的な結論を導くにはさらなる研究が必要である;異なる動物系統の実験において、ばく露に関連したCD8+ T細胞の減少が示されたが、発がんにおけるその役割をさらに追究する必要がある;DNAの直接的損傷はないことが観察された;文献全般では、ヒトでの発がんの証拠は限定的、実験動物での発がんの証拠は不十分である;ARIMMORA による新しいばく露データでも、以前の推定と同様に、ELF-MFと小児白血病との因果関係を仮定した場合の小児白血病へのELF-MFの寄与率は最大2%であることが確認された。最後にARIMMORAの結論として、「ARIMMORAは、ELF-MFと小児白血病との関係が「ヒトでの発がん性があるかも知れない」と一貫すると結論する。しかし、この科学的不確かさは、科学および公衆衛生にとって不満足であり、ARIMMORA実験から得られた新たなメカニズムの洞察は、将来の評価にステップ的変化をもたらす今後の研究を指し示している」を引用している。

影響評価項目

ばく露