この研究は、数ナノ秒のパルス幅の電気パルスによる一過性の細胞膜透過亢進および細胞死などの影響がイオン現象あるいは純粋な誘電現象のいずれであるかを実験的に調べた。電界パルス(パルス幅12ナノ秒、振幅3.2MV/m)によるDC-3F哺乳類細胞株への作用に対するバッファ液の導電率の影響を調べた。その結果、高導電率(1.5S/m)の媒質にパルスを印加した場合、一過性の細胞膜透過亢進および細胞死の両方が細胞に生じた;低導電率(0.1S/m)の場合、何も影響が観察されなかった;粘性、温度上昇、電気化学反応の違いに起因すると考えられるアーチファクトは全て排除した;導電率による影響が見られたことから、12ナノ秒パルスにおいてさえ電荷が何らかの役目を果たしていることが示唆された;ただし、実験では生物学的影響を生じるためにはパルスの累積が必要であるが、ほとんどの理論モデルはパルスの累積につれて透過性亢進が増大することを記述できない;これを説明できる唯一の理論モデルは、膜の変化領域での拡散をモデル化することでパルスの累積を記述するものである、と報告している。
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