[テクノロジーに対するアレルギー:倫理と「電磁過敏な」個人] basics

Allergic to Technology: Ethics and the "Electrically Hypersensitive" Individual

掲載誌: Ethics Biol Eng Med 2014; 5 (1): 39-50

この論文は、電磁界を原因と考える特発性環境不耐症(IEI-EMF)の科学的根拠およびそれが提起する倫理的問題を簡単にレビューしている。IEI-EMFとは、一般環境中の電磁界(EMFs)へのばく露が原因で発症すると本人は考えている多種多様な非特異的症状を特徴とする医学的に説明できない病状である。この論文の主な内容は、(1) 誘発研究が全体として明らかにしたのは、IEI-EMFの人は、EMFのばく露を受けている時に、そのことを偶然よりも高い確率で感じ取ることができない;IEI-EMFは、影響を受けた個人が自己診断した病状である、ということである。(2) IEI-EMFの倫理的問題は、医学的に説明できない病気とされるIEI-EMF以外のものが提起するものと全般的に似ている;しかし、電磁スペクトラムに対する現代社会の依存度を考慮すると、その社会的意味合いは大きい。(3) 社会政策としては、影響を受けた個人が低レベルの環境EMFの影響から防護されたいという望み、善意であるにせよ不適切な治療によりその個人が被る可能性がある危害にどのように対応するか、である。このような病状の治療を向上させるために、高品質の研究と臨床試験の登録が必要である。

ばく露