[ダウン症の有無を考慮した小児白血病の疫学] tech./dosim.

Epidemiology of childhood leukemia in the presence and absence of Down syndrome

掲載誌: Cancer Epidemiol 2014; 38 (5): 479-489

この総説は、ダウン症(DS)の疫学の背景を説明し、その上で、DS児と非DS児における生物学的および疫学的な特徴の類似点、相違点をレビューした。DS児では白血病リスクがかなり高いことが知られている。しかし、小児白血病の遺伝的変化およびエピジェニックな変化に関する理解は深まってきたものの、小児白血病の原因や白血病発症における環境ばく露の潜在的役割については大部分が未だに不明である。これまでに行われた種々の環境ばく露疫学研究の結果では、電離放射線のみが小児白血病の環境リスク要因として一般に受け止められている。DS児と非DC児の白血病にはよく定義された差異がある一方、DS児または非DC児の集団における白血病リスク要因疫学調査結果は傾向が一致している。レビューの結果を踏まえた提案として、DS児の急性リンパ芽球性白血病および急性骨髄芽球性白血病小児白血病発症に関する知識をもたらすモデルとして可能性がある;DS児での高い白血病発症率を利用すれば、一般人口では実現不可能なコホートアプローチが可能になる、と著者らは述べている。

ばく露