<目的>EMFが細胞内セカンド・メッセンジャーに変換される機序はまだ知られていない。本研究ではヒト松果体に存在するカルシウム沈着が圧電性であるか否かを決めることを目的とした。SHG応答が陽性であれば圧電気結晶の存在の証明となる。 <対照・方法>45-78才の6人のヒト死体から採取した松果体にSHG法を適用した。脳下垂体、大脳皮質、小脳も対照として測定した。SHGが観測されたか否かは以下の二つの基準によった:(1)レーザーパルス200当たりの光量子の数が10以上、(2)波長532nmの単色光の光量子数が他の波長の光量子数に比べて有意差があること。 <結果>Fig1に被験者1の松果体(上図)と脳下垂体、大脳、小脳(下図)の光量子数の分布を示すが、松果体は上記二つの基準を満たす。Fig2に全部のデータを纏めて平均値とSDを示す。白抜きのバーは532nmSHG、斜線のバーは532nmより10-15nm上下の波長を用いた場合でバックグランドの値を示す。松果体は7名の被験者全員に有意差が認められた(四角で囲んである)。下垂体では3名、大脳皮質で1名、小脳で1名が有意差を示した。SEMを用いて松果体を観察したFig3には桑実状、Fig4、5には面のある結晶構造が示されてある。Fig5の中央に示されている長い結晶は3.4%Al、32.9%Si、1.3%Cl、10.4%K、2.5%Ti、9.5%Znであった(原子番号11番以上のみ)。Alは意外であった。原子吸光法でしらべたデータがFig6にアルミニウムについて示されてある。松果体において多い。 <結論>SHGの結果は松果体は圧電性であることを明確に示している。
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