この総説は、インビボおよびインビトロでの哺乳類細胞の非電離無線周波電磁界(RF)に対する適応応答を報告した文献を解説している。適応応答とは、事前に毒性のない、低レベルの遺伝毒性要因にばく露した細胞が、その後に受けるより強いレベルの同一(作用)要因または他の遺伝毒性要因へのばく露の結果生じる損傷に対して耐性を持つようになることをいう。インビトロ研究では、RF事前ばく露を受けたヒトの血中リンパ球において、遺伝毒性のある突然変異原または放射線に対する耐性が示された研究などを、インビボ研究では、RF事前ばく露を受けた齧歯類動物において、ガンマ線に対する耐性が示された研究などを紹介し、RFの適応応答の考えられるメカニズムについて、残された問題や不明の点を議論している。
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